◆過去に記憶に残ったホテルの話◆



現在はインターネットで調べられることも多いので、以前のように旅行代理店を通さなくても、自分で直接ホテルをチェックすることができます。
そのため、宿泊してからこのホテルは外れだったということは少なくなりました。特にホテルの評判や感想が書かれたサイトの存在は有難い
かぎりです。
 ところで、海外のホテルで個人的に記憶に残る出来事はめったにないのですが、年月がたっても記憶に残っていることをいくつか書いてみました。

1.イギリス ロンドン 1998年
 あるホテルでのことです。インド人のご主人とイギリス人の白人の奥さんが経営する小さなホテルがあり、
 私はそのホテルに宿泊の予約をしていました。しかし、宿泊する部屋が香辛料のようなきついお香の臭いがして息が
 詰まりそうでしたので、仕方なくキャンセルしました。
  私がホテルを出るとき、そのことについてオーナーご夫婦は分かりましたと言っていましたが、ひどく落胆した様子でした。そして、ご夫婦の
 娘さんらしき人もそのホテルで働いていましたが、その人にいたっては涙を流していましたので、大変申訳ない気持でいっぱいになりました。
 そこで、数日後、私はデパートで買ったお菓子の箱詰をもってこのホテルに謝りに行きました。その時には、オーナー夫妻はキャンセルのことは
 気にしないでほしいと笑顔で話していたのでホッとした思い出があります。

2.イギリス ロンドン 1998年
 やや大きなホテルでのことです。フロント係の中で1人だけ朝夜しかも毎日見かける男性がいたので、人が少ない夜の時間帯に
 その人に休みは取らないのか聞いてみました。すると、弁護士の勉強をしていてお金がないので、生活費を稼ぐため働いていると私に答えました。
 また、その人はスリランカ出身であることなども話してくれました。私はその人と短時間話した後、部屋に戻りました。また次の日の朝もその男性
 を見かけたので、フロントに鍵を預けるときに昨日は泊まりなのか訊ねると、その人は、夜中に一度家に戻って始発で出勤し、通勤は地下鉄と
 徒歩で片道約40分だと言ってました。また、別の日にフロントにその人1人しかいないので、次々とやってくるチェックアウト客や電話をさばき
 きれず、チェックアウト待ちのお客から怒鳴られたりしているのを見て、その男性に私がカギを預ける時に深呼吸して落ち着いて頑張ってください
 と声をかけたりするうちにフロントで顔を会わせると話すようになり、その場に居合わせる他の従業員とも同じように話すようになりました。そして
 その男性は私に連絡先も教えてくれましたので、帰国後、メールで連絡を取ると、その後ホテルは改装のため閉鎖されたので、それから1ヶ月
 くらい職を探したのち法律事務所で働き始めたということや、ホテルの仕事仲間で貿易を始めた人から中古農機具を日本からスリランカに輸出
 できる会社を探せないか聞かれているので、私に探してほしいと依頼がきましたので探してあげたことがありました。その後、その男性に連絡を
 とることはなかったので、いまどうしているのか分かりません。以上のことは記憶に残っています。

3.イタリア ミラノ 1989年
 あるホテルに宿泊したとき、そのレストランに夜遅く閉店ぎりぎりに入ったことがありました。その時は、既に最後のお客が勘定を済ませて出て
 いったところでしたので、私1人になっていました。ウエイターが注文を聞きに来ましたが、私はイタリア語が分からなかったので、身振り手振りと
 メモ帳に絵を描いたりして説明しました。しかし、それでも通じず英語の分かる他の従業員が出てきてその人達と、更に身振り手振りでメニューを
 説明してもらったのですが結局よく分からずパスタ類を頼みました。私が食事をしているときに、従業員は閉店のためレストランの片付けをして
 いました。そして、店を閉店してから、その中の1人が私にいろいろ話しかけてきたのをきっかけに、コックさんも含む6〜7人の従業員が私の
 テーブルにやって来ていろいろ話をしました。その中で、「日本人は外国にグループでやってくるのに、あなたは1人だが、友達がいないからなの
 か」とか、「日本人の印象は、アリの巣からアリの集団が外(外国)に出てきて、またアリの巣に戻っていくような感じだ」ということが記憶に残ってい
 ます。こんな感じで3〜4時間話をして、デザートの1品をサービスしてもらったりしてから私は部屋に戻りました。翌朝、朝食でそのレストランに
 行くと、前の晩の従業員たちが眠そうな顔をして働いていました。私は彼らと簡単に挨拶と会話を交わしてから食事を済まし、ホテルを
 チェックアウトしました。
 
4.その他
   一方、ホテルを予約していたのに、ホテル側の予約ミスで危うく泊まれなくなりそうになったり(イギリス)、テレビやシャワーが壊れていたので
  それらが無い安い部屋の料金に下げてほしいとお願いしたところ、お願いするたびに私が外出中に直すと返事をするのですが、夜部屋に戻ると
  結局直っておらずチェックアウトするときは高い料金のままだった(フランス)こともあります。また、喧嘩をうっているような応対のホテル(イタリア、
  オーストリア)にも遭遇したことがあります。それから、飛行機の機内で出されたワインを飲まず、ビンをカバンにしまってもかさばるので、ホテルの
  フロントの人に差し上げると、翌日やや分厚いきれいな観光地の写真集をいただいたことや(スペイン)、私が外出するときに宿泊していた隣の
  高級ホテルに立ち寄りそこのコンシュエルジェに場所などの不明点を毎日教えてもらってから出かけていましたが、そのホテルに宿泊していない
  にもかかわらずコンシェルジェがあれこれ親切に教えてくれたこと(アルゼンチン)などがあります。

 <トップへ戻る